ある日の午後、
私は高田馬場から新宿へと向かうため山手線の電車に乗った。
車内はそれなりに混雑していたので、人が溜まっていなかった優先席の前に移動した。
その3人掛けの優先席には、中年のオヤジとヴィジュアル系とかロックなるものが好きそうな格好をして服装だけで髪や顔には手を施してない眼鏡をかけた男性と女性のカップルがいた。
左にオヤジ、真ん中に男が座っていて何やらオヤジがその青年に話しかけていた。
オヤジは隣の車両を指差しながら
「あの人カツラだよ〜、あのカツラは相当高いね。80万〜100万はするよ、うん。」
青年は苦笑いをしながら相づちを打ちながらもその指差す方をチラチラと見ていた。
私も気になってたまらなくなり、振り返って隣の車両を見た。
そこには確かに明らかに頭にのせている風な中年男性が座っていた。
私は吹き出しそうになるのをかろうじてくい止めた。
私の前に座っているオヤジはまだ青年に話かけていた。
私が笑いを堪えているのに気づいた青年は私をチラチラ見ながら笑っていた。
そうこうしているうちにオヤジは青年に別れを告げて電車を降りていった。
男性と一緒にいた女性は
「・・・・・なんだったの・・?」
「・・・あのオヤジ、ホモだった」
えええええええ!!!!!
ヅラの話してただけじゃないのかよ!!
青年が言うには手握ったりそういう話もしてきてたらしい。
ヅラのあと何話してるかあんまり聞こえなかったからな・・。
そうして乗り換えの為私は新宿で電車を降りた。